【成年後見「補助」と法律相談】

 「補助」というのは、法律では「精神上の障害に因り事理を弁識する能力が不十分」な状態にある人を対象にしています。

つまり、物忘れなどもするが、本人にもその自覚があり、日常の買い物などはもちろんのこと、不動産や自動車の売買といった「重要な行為」についても一人で行なうことができるかもしれないが、心配があるので誰かの援助があったほうがよいと思われるような人のための制度です。

そこで手続き上は「後見」や「保佐」と同様に、本人、その配偶者、四親等内の親族といった人が申し立てることによって、家庭裁判所が「補助開始の審判」という手続きを取り、「補助人」が選ばれることによって補助が開始されますが、これだけでは実際的な効果は出てこないようになっています。

そうした手続きに加えて、本人の意思によって、「同意権付与の審判」または「代理権付与の審判」またはその両方を行ない、本人が必要とする補助の内容について決めることが求められています。

こうして、「補助人」には申立ての範囲内で、次のような権限が付与されます。

「同意権付与の審判」が行なわれる場合には、「重要な行為」のうち、申立ての範囲内で、それを行なうことで本人が不利益を被ると家庭裁判所が個別に判断し、補助人の同意を必要とする行為を「特定の法律行為」として決定します。

ただし、たとえば食料品や衣料品を購入するための預金の払い戻しといった「日常生活に関する行為」については、補助人の同意を得ることなく本人が行なってもかまわないのは「保佐」の場合と同様です。

なお、本人の自己決定権をできるだけ尊重するという趣旨から、本人の行為によって不利益を被るおそれがないと思われるのに、補助人がそのことについて同意しない場合には、本人が家庭裁判所の「許可」を得て行なうことができるようになつているのも「保佐」の場合と同様です。

「同意権付与の審判」が行なわれると、補助人の同意または家庭裁判所の 「許可」が必要であるにもかかわらず、それを受けることなく本人が行なった行為については、本人と補助人が取り消すことができます。

ただし、「同意権付与の審判」の申立てが行なわれていない場合は、補助人の同意が必要な行為がないため、「取消権」もありません。

「代理植付与の審判」が行なわれた場合には、「重要な行為」 のうち、申立ての範囲内で、それを行なうことで本人が不利益を被ると家庭裁判所が個別に判断し、本人に代わって補助人が行なえる行為を「特定の法律行為」として個別的に決定します。

なお、補助人に代理権が与えられていても、本人が望めば(ただし、補助人の同意が必要な場合はその同意を得て)、本人自らがその行為を行なうことは可能です。


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